びわの歴史
びわは、バラ科の常緑高木です。
そして、びわの原産地はインドや中国南西部です。
日本では四国や九州で、やはり暖かい地域で栽培されています。
インドでは今から約3000年も前から『大般涅槃経(だいはつねはんぎょう)』などの仏典の中で、
「びわの葉や枝、茎、根には大きな薬効がある」と記載されています。
びわの木は ➔ 『大薬王樹』
びわの葉は ➔ 『無憂扇』
と名付けられ、びわの効能は大変優れていると広く知られるようになりました。
中国ではびわの葉を『枇杷葉(びわよう)』と呼び、漢方薬に配合したりして使用していました。
枇杷葉を配合した漢方薬には辛夷清肺湯、枇杷葉散、枇杷葉膏、などがあるそうです。
明(16世紀末)の時代には『本草網目(ほんそうこうもく)』という書物に「胃腸や呼吸器を整え、
お肌や足などのしびれにも良い」と記されています。
そして日本では、びわの木が入ってきたのは弥生時代と推測されています。
主に九州や四国で自生し、奈良時代には仏教医学のひとつとして広められました。
仏教医学の為、お坊さんたちがびわを使った処方を行い、その頃の多くのお寺にはびわの木が
植えられていました。
光明皇后は730年に病気で苦しむ人々を救済する「施療院」を造り、そこでびわの葉を使った
処方が行われていたようです。
この頃は、びわの葉をあぶり、熱いうちに患部に当て摩擦するというやり方の処方を行ったようです。
びわの葉の手当は全国的に広がり、江戸時代にはびわ葉に甘草、桂枝などを配合した『枇杷葉湯』
(びわようとう)という飲み薬が売り出されました。
この薬は京都や江戸で大変人気となりました。
びわは夏バテや日射病、軽い食あたりを予防するものとしてとても重宝していたようです。
またびわの葉を煎じた薬や入浴剤も売られていたようです。
びわの効能は、万病を癒す力があるとても優れた成分をもつ植物です。
古来から漢方や民間療法の霊薬として用いられています。
現在でも、色々な漢方薬に配合されています。